DKIMとは? — セレクタの意味と設定・確認方法
最終更新: 2026-08-07
DKIM(DomainKeys Identified Mail)は、メール1通1通に電子的なハンコ(電子署名)を押して、「このメールは本物の差出人から送られ、途中で改ざんされていない」と証明する仕組みです。送信ドメイン認証の3大必須設定の2つ目で、SPFの弱点(転送で崩れる・差出人欄を守れない)を補います。
しくみ — 秘密のハンコと、照合用の印鑑証明
- 送信サーバーが、メールに「秘密鍵」で署名を付けて送る(ハンコを押す)
- 受信サーバーが、差出人ドメインのDNSに公開された「公開鍵」を取り寄せる(印鑑証明を確認)
- 署名と公開鍵が一致すれば合格(pass)。途中で本文が書き換えられていれば不一致になる
あなたがやる作業は「メールサービスの管理画面で鍵を作り、公開鍵をDNSに登録する」ことだけです。署名は毎回サービス側が自動で付けます。
最重要ポイント:「セレクタ」とは
DKIMでいちばんつまずくのがセレクタ(selector)です。セレクタは公開鍵につける「名前」で、DNS上は次の場所に公開されます。
(セレクタ名)._domainkey.(あなたのドメイン)
例: google._domainkey.sub.domain.com
セレクタがあるおかげで、1つのドメインで複数のサービスのDKIMを共存できます(サービスごとに別の名前のハンコを持てる)。代表的なセレクタ名:
| サービス | セレクタ | レコード形式 |
|---|---|---|
| Google Workspace | google | TXT(管理コンソールで生成) |
| Microsoft 365 | selector1 / selector2 | CNAME(2本セット) |
| エックスサーバー・ConoHa WING 等 | default | TXT |
| さくらのレンタルサーバ | rs20240118 のような日付形式 | TXT |
| Amazon SES | ランダムな文字列 ×3本 | CNAME |
| 独自運用の例 | contactzozojp.202006(ZOZO)など自由 | — |
「診断で見つからない」=「未設定」ではありません
ここが大切です。DNSには「このドメインのセレクタ一覧」を取り出す仕組みがありません。つまりセレクタ名を知らない限り、外部からDKIMの有無は確認できません。本サイトの診断も、よく使われる16種のセレクタを順に試しているだけなので、独自セレクタのドメインは「確認できず」と表示します(未設定と断定しません)。
💡 確実に確認する方法:そのドメインから届いたメールをGmailで開き、右上の「︙」→「メッセージのソースを表示」の内容を、診断ツールのヘッダー貼り付け欄に丸ごと貼ってください。DKIMの合否とセレクタ名(DKIM-Signature内の s= の値)を自動で読み取り、正確に判定します。手動で確認する手順はDKIMセレクタの調べ方にまとめています。
設定方法(共通の流れ)
- お使いのメールサービスの管理画面でDKIMを有効化(鍵が生成される)
- 画面に表示されたレコード(TXTまたはCNAME)を、ドメインのDNSに登録
- 反映後(通常1時間以内、最大72時間)、サービス側で「有効化」や「認証開始」を押す
💡 お使いの送信サービス×ドメイン管理サービスの組み合わせに合わせた具体的な手順と設定値は、設定値ジェネレーターで自動作成できます。
よくある失敗
- セレクタ名の入力間違い — レコード名は「セレクタ._domainkey」の形。ドメイン部分の重複や「._domainkey」の付け忘れに注意。
- M365のDKIMをTXTで登録してしまう — Microsoft 365はCNAMEで2本登録します。TXTでは有効化できません。
- 鍵を作っただけで「有効化」を押していない — DNS登録後、サービス側での有効化操作までがセットです。
詳しくはよくある失敗例と直し方へ。鍵は作って終わりではなく、定期的な交換(ローテーション)も推奨されています。