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BIMI徹底解説 — ロゴが出るまでの流れと、出ないときの調べ方

最終更新: 2026-09-09

こちらは踏み込んだ解説です。まず全体像と、やるべきかどうかを知りたい方はBIMIとは?(かんたん解説)からどうぞ。このページでは、受信側がどういう順番でロゴを出すか決めているのかと、出ないときにどこを見ればいいのかを扱います。

このページでわかること
  • ロゴが出るまでに5つの関門があり、多くは手前のDMARCで落ちていること
  • セレクタ(default._bimi)と、別名を指定する方法
  • メールソフトごとに、必要な証明書が違うこと(VMC / CMC)
  • Yahoo!メールの「ブランドアイコン」はBIMIとは別制度だということ

受信側は、どういう順番でロゴを出すか決めているの?

BIMIは、いちばん最後の飾りです。手前の関門をすべて通ったメールだけが、ロゴの表示に進みます。どこで落ちているかが分かれば、直す場所も決まります。

ロゴが出るまでの5つの関門(1つでも欠けると出ない) 1 DMARCに合格しているか SPFかDKIMの一方が、認証成功+ドメイン一致 2 DMARCのポリシーが quarantine 以上か p=none は対象外。sp= が弱いと弾かれることもある 3 BIMIレコードがあるか default._bimi.yourdomain.com の TXT レコード 4 ロゴがSVG Tiny PS形式で、HTTPSで取得できるか 通常のSVG書き出しでは通らない 5 証明書(VMC / CMC)が有効か Gmail・Apple Mailで表示させるなら必須 1と2で落ちている場合が大半です。BIMIの設定より先に、DMARCの引き上げが必要です。
BIMIは最後の関門。手前のDMARCが整っていないと、そもそも土俵に上がれない

BIMIレコードには、何が書いてあるの?

タグは3つだけです。SPFやDMARCに比べれば、はるかに単純です。

BIMIレコードの構文 v=BIMI1 l=https://yourdomain.com/logo.svg a=https://yourdomain.com/vmc.pem バージョン この値で固定 ロゴの場所 SVG Tiny PS形式。 HTTPSで公開する 証明書の場所 VMC / CMC。 省略すると出ない相手が多い 置き場所は default._bimi.yourdomain.com のTXTレコード。 l= を空にすると「ロゴを出すな」という意思表示になります。
タグは3つ。a= を省くと、主要なメールソフトではロゴが出ません

「default._bimi」の default って何?

DKIMのセレクタと同じ考え方です。1つのドメインで複数のロゴを使い分けられるようにするための名前で、既定では default を使います。

別の名前を使いたい場合は、送信するメールに BIMI-Selector ヘッダーを付けます。

BIMI-Selector: v=BIMI1; s=campaign

  ↓ 受信側は default._bimi ではなく、こちらを見にいく

campaign._bimi.yourdomain.com  TXT  "v=BIMI1; l=…; a=…"
⚠️ ただし実務では default だけを使ってください。受信事業者の多くは default しか受け付けません。指定したセレクタのレコードが無かった場合、default に戻ってくれる保証はなく、ロゴが出ないと考えるべきです。

どのメールソフトで出るの?

ここが最も誤解されるところです。BIMIに対応しているかどうかと、証明書に何を求めるかは、事業者ごとに違います。

メールソフトBIMI証明書備考
Gmail対応VMC または CMCVMCなら青いチェックマークが付く。CMCではロゴのみでチェックマークは付かない
Apple Mail / iCloudメール対応VMCCMCへの対応は公表されていません。確実に出したいなら商標登録が要ります
Outlook.com非対応BIMI Groupの対応状況一覧でも Microsoft は非対応。期待しないでください
Yahoo!メール(日本)別制度下記のとおり、BIMIではありません

Yahoo!メール(日本)は、BIMIではありません

日本の送信者がいちばん混同するところです。Yahoo!メールには「Yahoo!ブランドアイコン」という独自のしくみがあり、BIMIとは別物です。

BIMIYahoo!ブランドアイコン
表示される範囲対応する各社のメールソフトYahoo!メールの中だけ
必要な認証DMARC(quarantine以上)SPF または DKIM + Yahoo!独自の要件
証明書VMC / CMC(有償・年額)不要
申し込み不要(DNSに置くだけ)Yahoo!への申請が必要

つまり、日本の受信者に向けてロゴを出したいなら、BIMIとYahoo!ブランドアイコンは別々に用意することになります。「BIMIを設定したのにYahoo!メールで出ない」のは、故障ではなく仕様です。

💡 なお、Yahoo! JAPAN 自身は送信者としてBIMIを導入しています(Gmailなどで同社のアイコンが出るようにするため)。「Yahoo!がBIMIを導入」という報道はこちらの話で、Yahoo!メールが受信側としてBIMIに対応したという意味ではありません。

ロゴが出ないとき、どこを見ればいいの?

受信側は、判定の結果をヘッダーに書き残していることがあります。まず届いたメールのヘッダーを見てください。

ヘッダー意味
BIMI-Location受信側が実際に取得したロゴのURL。これが付いていれば、レコードの読み取りまでは成功している
BIMI-Indicator取得したロゴそのもの(Base64)。付いていれば表示直前まで進んでいる
Authentication-Resultsbimi=pass / skipped / fail など。skipped は手前の条件で対象外になったという意味

切り分けの順番はこうなります。

  • ヘッダーに bimi= が無い / skipped … 手前で落ちています。DMARCが合格しているか、p=quarantine 以上かを確認してください(関門1・2)
  • BIMI-Location が無い … BIMIレコードが読めていません。dig +short TXT default._bimi.yourdomain.com で引けるか確認(関門3)
  • BIMI-Location はあるのに表示されない … ロゴか証明書の問題です。SVGの形式(→BIMI用SVGロゴの作り方)と、証明書の有効期限を確認してください(関門4・5)
  • Gmailでロゴは出るがチェックマークが付かない … CMCを使っています。青いチェックマークにはVMCが必要です

確認のしかた

# BIMIレコードを引く
dig +short TXT default._bimi.yourdomain.com

# 手前の条件(DMARCのポリシー)も一緒に確認する
dig +short TXT _dmarc.yourdomain.com

このサイトの診断では、ドメインを入れるだけでDMARCのポリシーとBIMIレコードの両方を確認できます。BIMIが「未設定」と出ていても、まず見るべきはDMARCのほうです。

よくある質問

Q. Gmailで他社のアイコンが出ています。あれは全部BIMIですか?
A. いいえ。Googleアカウントのプロフィール画像や、連絡先に登録された画像が出ている場合があります。アイコンが出ている=BIMI設定済み、ではありません。

Q. 証明書なし(a= を書かない)でも設定する意味はありますか?
A. 主要なメールソフトでは表示されません。ただし設定そのものは無害で、将来証明書を取得したときにレコードを足すだけで済みます。急ぎでなければ、DMARCの引き上げを先に進めてください。

Q. 商標登録がありません。CMCなら出せますか?
A. Gmailでは出せます(チェックマークは付きません)。Apple Mailでは出せません。費用対効果はVMC・CMCにまとめています。

Q. サブドメインから送っています。BIMIレコードはどこに置きますか?
A. 実際にFrom欄で使うドメインに置いてください。news@mail.yourdomain.com で送るなら default._bimi.mail.yourdomain.com です。親ドメインのレコードは自動では継承されません。