VMC・CMCとは — BIMIの証明書と、その費用対効果
最終更新: 2026-08-07
BIMIを設定すると、受信画面の送信者アイコンに自社ロゴを表示できます。ただしGmailで表示させるには、認証局が発行する有償の証明書が必要です。それがVMCです。
このページでは、買うべきかどうかを判断できる材料をお出しします。結論を先に言うと、多くの中小企業にとっては、まだ早いというのが率直な見解です。
VMCとCMCの違い
| VMC Verified Mark Certificate | CMC Common Mark Certificate | |
|---|---|---|
| 前提 | 登録商標のロゴであること | 商標登録がなくても、長年の使用実績があれば可 |
| 費用 | 年額の有償(認証局により異なる) | 同上 |
| Gmailでのロゴ表示 | 対応 | 対応状況は受信事業者により異なります |
| 青いチェックマーク | VMCが必要とされています | — |
どちらも「このロゴは本当にこの会社のものである」ことを認証局が保証する証明書です。誰でも他社のロゴを出せてしまっては、BIMIがなりすましの道具になるため、この仕組みがあります。
📌 費用は認証局や契約条件によって幅があります。本サイトでは推測での金額提示は行いません。実際の見積もりは認証局へ直接お問い合わせください。
取得の前提条件
証明書を買う前に、これらが揃っていないと申請できません。
- DMARCが p=quarantine 以上 —
p=noneでは対象外です。しかもサブドメイン向けポリシー(sp=)が弱いままだと弾かれることがあります - ロゴがSVG Tiny PS形式 — Illustratorの通常のSVG書き出しでは通りません。専用のプロファイル指定が必要です
- 商標登録(VMCの場合) — 出願中では足りず、登録済みであることが求められます。日本の特許庁の登録も対象です
- 送信ドメインの実績 — 新しいドメインは、実績が貯まるまで表示されにくいという運用上の壁があります
1が最大の関門です。p=quarantine への引き上げは、正規のメールがすべて認証を通っていることを確認してからでないと危険です(→レポートの読み方)。
費用対効果の、正直な話
BIMIは到達率を上げる仕組みではありません。ここを誤解している方が多くいます。ロゴが出ても、迷惑メール判定が緩くなるわけではありませんし、届く量が増えるわけでもありません。
得られるのはブランドの視認性と、受信者が本物を見分けやすくなることです。なりすましメールはロゴを表示できないので、その差が識別の手がかりになります。価値はありますが、効果は測りにくいのが正直なところです。
そのうえで、優先順位はこう考えるのが妥当だと思います。
| 優先度 | やること | 費用 | 効果 |
|---|---|---|---|
| 1 | SPF・DKIM・DMARCの3点セット | 0円 | 届かない状態を解消する。効果は絶大 |
| 2 | DMARCを p=quarantine 以上へ育てる | 0円(手間のみ) | なりすましを実際に止める |
| 3 | 迷惑メール率の改善・リスト整理 | 0円(手間のみ) | 到達率に直結する |
| 4 | BIMI(証明書なし) | 0円 | 一部の受信事業者でロゴ表示 |
| 5 | VMC/CMCの取得 | 年額有償 | Gmailでのロゴ表示 |
1〜3がすべて0円で、しかも効果が大きいのがポイントです。ここを終えないうちに証明書にお金をかけるのは、順序が逆だと考えます。
向いているのはどんな会社か
それでもVMCが妥当なケースはあります。
- なりすましの実害が出ている — 顧客から「御社を名乗るメールが来た」と連絡がある場合、ロゴは識別手段として意味を持ちます
- 金融・EC・行政など、信頼が売上に直結する — 開封率やブランド認知への投資として説明できます
- すでに3大必須設定とDMARC強化を終えている — 次の一手として自然です
- 商標を登録済み — 追加コストが証明書だけで済みます